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2014年5月

2014年5月 5日 (月)

黒書院の六兵衛 読後

浅田次郎さんの黒書院の六兵衛を読んだ。
読後は清々しい。

無血開城を迎える江戸城に居座り続ける謎の武士、的矢六兵衛。
彼は何者なのか?目的は?
周辺の者たちの証言で、物語が進行していく。
時代背景や、江戸城内の様子をからめながら進められる物語は、読みやすい。
六兵衛の正体を探りながら読みすすめる感じは、ミステリー。
六兵衛は架空の登場人物でありながら、当時あまた実在しただろう平凡にして高潔な武士の”思い”の化身に思える。
だから、ファンタジー小説でもあるのかな。。

長きにわたる世襲政治、既得権益の生み出す富。
人を狂わす原因は、時代が変わっても同じだなと思う。
そして高潔な精神や優秀な能力を持つにもかかわらず、世の中に影響を及ぼすことができない立場にいる名もなき人物。
そんな人はきっと、現在もどこかにいて、無念な思いを抱いているのではないかと思う。

”公”ではなく”個”の損得で物事を判断する政治家。
暴力で物事を解決しようとする教育者。
誰かを持ち上げ、つきおとし、その場のおもしろさだけで右往左往するマスコミ。
弱者の皮をかぶった怠け者。
本物の弱者が救われないシステム。
消滅しそうな、美しい文化や芸術。

危機感を感じ、現代の黒書院でじっと座り続ける六兵衛はどこかにいるのだろうか?


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