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2014年4月

2014年4月24日 (木)

村上海賊の娘 読後感想

謎解きはディナーの後でを読んでから、本屋大賞受賞作品というものをあまり信用してなかったのだけど。
これは、おもしろい!
痛快時代劇! 間違いなく映画になるなあ。それを意識して書かれている感じすらある。

歴史小説の醍醐味は、史実と創作の絶妙な融合感にあると思う。
史実自体、当時の文献などから推測するわけだから、その文献の内容自体が正しいかどうかもわからない。
いろいろな説があるだろう史実をひもといて、作家が想像力をふくらましていく。
歴史上の有名人物が、こんな風に出会っていたかもしれないと思うだけでワクワクする。
でも、なにもかも創作でかかれてもおもしろくない。
あるかもしれないと思わせる、ち密な史実の研究がわかりやすく説明されながら物語が進んでいく。
その進め方に、違和感はなく、本当に巧みな作家さんだと感心する。

一方、海賊たちの友情や恋愛や戦いに関しては、漫画チックに描かれていく。
当時の人間の価値観(それがどんなものかはわからないけれど)ではなく、現代の人間の価値観で人間関係が描かれていく。
ある時は吉本新喜劇のように、ある時は韓流恋愛ドラマのように、ある時はアクション映画のワンシーンを見るかのように。
まったく飽きさせない展開だ。
数限りなく人が殺されていくわりに、極悪非道の登場人物はいない。登場人物は敵も味方も個性豊かでそれぞれに魅力的。
そこが後味の良さにもつながる。

人が何に命をかけるのか?
命をかけてまで守ろうとしたものは、ことは意味があったのか?

最後は読者それぞれが、自分の生き方をちょっと考えてみようかな?と思わせるように締めくくられる。

何百年という時の流れの中では、私なぞ塵のような存在だけど、何かに流されるのではなく自分の意思を持って生きていきたいなと感じたな。

良い、作品でした。


2014年4月19日 (土)

入学式問題

”仕事か子どもか?”というハッシュタグでツイートが呼びかけられていたので、少し呟いてみた。
一言ではとても語り切れない。だからブログに自分の考えを書いてみた。

埼玉県の高校で、女性教諭が息子の入学式に出席するため、担任を務める1年生の入学式を欠席した問題。
賛否両論、いろんな意見を言う人がいて、考え方も十人十色なのだとしみじみ思う。
イケダハヤトという、乱暴なブロガーにいたっては、”当たり前でしょ 我が子なんだから”って書いている。
それに対してその通り!と賛同するコメントがついていたりして、心底驚いた。

こんなことを容認する人がいるんだなあ……

このニュースを読んだとき
”当たり前でしょ。新入生の担任なんだから入学式休んだらダメにきまってるやん”としか思わなかった。

女性教諭の年齢が同世代だから、私の頭が古いとかそういうことではないはず。
どうしてこんな大切な日の仕事を休もうと思ったのか?
校長は、なぜ休暇届を受理したのか?

教育長や県会議員というお偉方が、偉そうに注意する態度は、あまり好きではないが、校長ともども注意されても良い話だ。

仕事をするということをどう考えているのだろうか?

どんな仕事でも、”休める日”と”休みにくい日”と”絶対に休めない日”がある。
”休める日”は業務に支障をきたさない日。
”休みにくい日”は業務に支障はきたすが、他のスタッフの協力と調整でなんとか休める日。
”絶対に休めない日”は休むことによって、大きな損失を出したり、信用をなくす日。他のスタッフの協力や調整などではどうにもならない日。

学校という職場において、新入生の担任にとっての入学式は、”休みにくい日”なのだろうか?

甘すぎる。もし、そのように考えていたなら、校長も教諭も考えが甘すぎる。

新入生の担任にとって入学式は、”絶対に休めない日”だ。

なぜか?
新入生の信頼を失う可能性があるからだ。
生徒の数だけ個人の考え方、感じ方がある。気にしない子もいれば、責任感の無い教師だと感じる子もいる。
これから子供たちの教育をしていく職業にあるものが、”責任感の無い教師だな”などと信用を失うスタートをしてどうする?

我が子の入学式に出たいという希望があったのなら、新入生の担任を持たないよう申し出るべきだった。
担任を持ってしまったのなら、我が子に説明をして入学式に行けないことを理解してもらうべきだった。

そもそも、そこまで深く考えたのであろうか?
休めるかな?一回、校長に聞いてみよう。その程度の、浅い考えではなかったか?
授業を行わない入学式という行事を、簡単に考えてはいなかったか?
授業がなくとも、不安や期待を胸に抱いている”生徒という人間”と彼らを導いていく”教師という人間”の初めての出会いの日である。
本当に大切な日だ。

そして、もう一つ。

仕事を持つ人間にとって、休暇とは”休める日”にとるものだと思う。
とった休暇の中身など関係ない。
我が子の入学式に行こうが、パチンコ屋の新装開店に行こうが自由だ。
この理由の休暇はOKで、この理由の休暇はNGだなどと、誰がどうやって決めるのだ。

休暇の理由と明かして休むのは、業務に支障がでるのを承知で、周りの協力をとりつけているからだ。
周りの人間の好意と協力によって成り立つ休暇など、極力減らすにこしたことはない。

2014年4月 7日 (月)

知念実希人 ブラッドライン 読後感想

久しぶりにおもしろい!とおもえる小説だった。
”優しい死神の飼い方”を読んで、それなりに気に入ったので同じ作家さんの作品を読んでみようと手に取ったのだけど、これがヒット!
一気に読み終えてしまった。

物語は、教授選を控えた大学病院で、2人の教授候補が命を落とす。
主人公である死んだ教授候補の息子が、父の死に疑問を持ち、解き明かそうと動き始める。
彼の前に立ちはだかる妨害。カギを握る人物の死。深まる謎。
テンポよく物語は進み、意外性のある結末に向かってパズルのピースが一つ一つはまっていく。
そんなミステリを軸に、家族の絆や古い因習にとらわれる人間の愚かさなどが人間臭く絡まっていく。

作家さんが医師のせいか、冒頭の緊迫した手術シーンはリアルで映像を見ているような錯覚に陥る。
ワクワク、ドキドキさせつつ、どこか冷静な物語の運び方に、好感が持てる。
ほんとのところ、”優しい死神の飼い方”はちょっと読後感が物足りなかったのだけれど、これは満足。
おもしろいよ!と人にすすめたくなる作品だった。

2014年4月 4日 (金)

知念実希人著”優しい死神の飼い方”読後感想

舞台は古い洋館を改装したホスピス。
未練を残しながら死にゆく患者の魂を救うため、死神が犬に姿を変えて現れる。
古い洋館とのかかわりを持つ患者たちの物語と洋館で起きた殺人事件を絡ませながら、死神と人間の友情を描くファンタジー的な小説。

犬が人間界のものを平仮名表記で表現するのだけれど、これがわたし的にはイラっときてしまう。
これは、文章的な好みなのかもしれないけれど。
普通にサラっと流してくれ!と思ったりして。

作家が医師であるせいか、限りある命を精一杯生きるべし。というエピローグに思いが詰まっている。

物語は優しく、ミステリー的な部分も伏線が張られていて、読者の想像通りに進んでいく。
え?!となることはないので、ワクワク感には欠ける。
でも、コメディタッチの犬のつぶやきがかわいいので、退屈せずに読み進むことができる。
もうちょっと意外性というか、どんでん返しというか、最後の最後にえー!!っということがあると、もっと面白かったのになあ。と思う。

だって、最近の現実はドラマチックだもの。

ドラマティックといえばオリンピックの浅田真央選手。

うちの真央ちゃんはこんなに上手なのに年が足らずにオリンピックに出られないなんて…と全国民が真央ちゃんの身内になった気分で憤慨した8年前。
それから4年後のバンクーバー。わずかなミスで悔いの残る銀メダルと次への思い。
なにもかも捨てて一からやり直して、苦しみぬいた4年間。
そして、ソチ。
真央ちゃんの身内気分のファンたちは思っていた。
メダルより、真央ちゃん自身が悔いのない演技をしてくれれば……
なのに、悪夢のようなSP。
この8年間一度も見たことのないシーン。

小説なら、その翌日の最高の演技など、嘘臭くて読んでいられない。

でも現実は、TVの前で号泣。
こんなことができる人がいるのだ。
作り物のお話が薄っぺらく感じる、現実の感動。

現実の感動には勝てないかもしれないけれど、読みながら号泣できるようなお話を読むのも楽しい。

だから、ガンバレ小説家!

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