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2012年3月 1日 (木)

春から夏やがて冬 読後(大いにネタバレ)

愛娘の轢き逃げ事故死、妻の自殺、自らの重い病。
そんな苦悩を背負うスーパーの保安員と万引き女性のものがたり。
と思って読んでいると、どことなく退屈……

なんか、イマイチ……と読者に思わせる。

ところが、後半突然に主人公の保安員が万引き女性を殺害する!
え、え、えー、なんで?
復讐?復讐ッテ……まさか!
読者は轢き逃げ犯と万引き女性の関連を想像し、想像通りの内容が展開される。

いくらなんでも、こんな偶然無いでしょ……と読者に呆れさせる。

残りわずかなページになって、主人公の主治医の目から見た真相が語られる。

そ、そ、そうだったのか……

読者を退屈させておいて、どんでん返し。
内容を想像させておいて、どんでん返し。
その想像が間違いであったことを納得させて、そうだったのかと終わらせる。
構成のなかなか巧みな小説でした。

巧みなんだけど、胸にくるようなものがない。
ミステリーというには、ミステリー要素にも乏しい。
余命が限られた主人公という存在が、お金を使うにしても、殺人を犯すにしても、どこかしまらない設定だったかも。
どっちみち死ぬんだから……みたいなあきらめが感じられて。

自分の命とひきかえにしてでも娘の復讐を遂げようと考える隠れた顔を持った寂しい保安員。偶然で会った万引き犯。
万引き犯に娘を重ね合わせて手を差し伸べようとする一方、犯人である疑いを持ち始め……そして。
みたいな設定ならミステリーっぽかったけど。

直木賞候補作ということで、期待して読んだわりにはちょっと期待はずれだったかなあ。
ちょっと残念!

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